交渉ごとでよくあるのが、「相手に本気だと思ってもらえない」というパターン。
どれだけ強気なことを言っても、相手が「どうせやらないでしょ」と感じてしまえば、その時点で駆け引きは崩れてしまいます。
そこで注目したいのが、TikTokが見せた交渉スタンスです。
一時期、アメリカ政府とTikTokの間でアプリ遮断の話が本格的に浮上しました。国家安全保障を理由に、アメリカでの利用を禁止するという話です。普通なら企業としては、どうにか回避しようと動くところ。
でもTikTokは違いました。なんと、アプリを遮断される可能性を一度受け入れる姿勢を見せたのです。
「それでも構わない。やれるならやってみろ」という空気感。
この態度が意味するのは、「こちらは本気ですよ」という明確なメッセージです。
つまり、これは交渉の中でもっとも強いカードのひとつ、「本気を見せる」やり方。
ただのブラフじゃない、引く気がない、その覚悟を相手に伝えることで、交渉の空気を変えてしまう。そんな方法です。
もちろんリスクはあります。実際に遮断されてしまえば大きな損害もあり得る。
でも、あえてそのリスクを背負ってでも、「それでも譲らない」という立場を取るからこそ、交渉の流れを引き寄せられるわけです。
交渉って、結局のところ「腹が決まってるか」が試される場面でもあるのかもしれません。
TikTokのように、「最悪の事態でも受け入れる」という姿勢を見せられるかどうか。
その覚悟の差が、勝敗を分けることもある――そんな気づきを与えてくれる事例でした。
