NewsPicksコメント-シグネチャー・バンクも破綻、米銀史上3番目の規模 預金者保護へ

連邦財務省が発表した新機関 これ以上で取り付け騒ぎで金融機関の破綻をさせない!?

連邦財務省は3月12日の金融安定化監視委員会の緊急会議の会議内容を公開しました。

その中で銀行システムの預金保護能力を向上させるために、連邦準備制度理事会が対象の預金機関に資金を提供する、新しい機関の設立について言及しました。

新しい機関は預金者のニーズに対応する為に、金融機関がストレス状況下で突発的に金融資産をを売却する必要を無くすために、高品質の証券で担保された流動性を提供するとの事です。

また、以前の発表にもあったとおり、破綻した銀行の損失は、納税者によって負担されず、株主や特定の無担保債権者は保護されないことも言及されました。

新機関についての具体的な言及はありませんが、新しい機関を設立する事で今までと比べて異次元の流動性を確保する事により、実質的にこれ以上、取り付け騒ぎで金融機関の破綻をさせないという強い意志の表明だと理解出来ます。

なお、会議に参加したメンバーは以下の通りです。

• イエレン財務長官
• パウエル連邦準備制度理事会議長
• フー代理銀行監督官
• チョープラ消費者金融保護局長
• ゲンスラー証券取引委員会議長
• グリュンバーグ連邦預金保険公社議長
• ベーナム商品先物取引委員会議長
• ハーパー全国信用組合管理局議長
• マーティン金融研究局代表
• サイツ連邦保険局長
• ハリス ニューヨーク州金融サービス部長

記事内容:シグネチャー・バンクも破綻、米銀史上3番目の規模 預金者保護へ (newspicks.com)

NewsPicksコメント-米財務省など「シリコンバレー銀行の預金、全額保護」

シリコンバレー銀行に続いてシグネチャー銀行が破綻  米国は金融パニックを防げるか

3月12日東海岸時間6PM過ぎに米国連邦財務省からのアナウンスがありました。

1)イエレン米国連邦財務長官はシリコンバレー銀行の預金者がすべて保護されるアクションを承認。税金による救済ではない。

2)シグネチャー銀行が3月12日付けでニューヨーク州当局により業務と資産を差し押さえられ破綻。シリコンバレー銀行と同様に預金者保護を税金を使わずに行う。

3)他の金融機関を支援する為に預金保険基金の強化。

4)それぞれの銀行の株主と無担保の債権者は保護されない。

実務的には、シグネチャー銀行破綻に関してはニューヨーク州当局からのアナウンスもない状態で、受け皿銀行の設置を含めてまだ不明確な点が多い状態です。

記事内容:米財務省など「シリコンバレー銀行の預金、全額保護」 – 日本経済新聞 (nikkei.com)

NewsPicksコメント-米SVBの英法人、UAE王室やソフトバンク系が買収検討か

金融不安連鎖か 不安解消か 運命の月曜日までカウントダウン

シリコンバレー銀行の倒産が一つの銀行の倒産にとどまるのか、金融不安につながるのかは下記の3つによるところが大きいです。

1)財産配分の金額
2)受け皿銀行が機能するか
3)預金者への救済処置の有無

1)財産配分の金額
今回の破綻の最大の論点は、FDICの制度により保護されない、25万ドル(約3400万円)以上の預金がどうなるかです。

FDICによると、来週中には財産配分を支払うと発表しました。

財産配分とは破産裁判所が最終的に決定する財産分配を待たずに、流動性の高い資産を売却後に、連邦準備制度理事会保証されていない預金に対する支払いです。

財産配分が保証対象外の預金に対して高い比率であれば、被害が限定的になります。

2)受け皿銀行が機能するか
銀行破綻時にDINBという受け皿銀行が設置されました。

月曜日にはDINBからFDICにより保護されている25万ドル以下の預金にアスセスができるようになるとアナウンスされていますが、歴史上、二番目に大きい金融機関の破綻なのでスムーズにいくかは、未知数です。

参考までに、シリコンバレー銀行の資産は、長期信用銀行破綻時の資産のほぼ二倍でした。

また、給与支払いサービスのRipplingによると、シリコンバレー銀行により破綻前日(3月9日)の給与支払い処理が行われていない事を明らかにしています。

カリフォルニア州において、いかなる理由においても給与未払いに対しては厳しい罰則が適用されます。

3)預金者への救済処置の有無
FDICにより保護されない、25万ドル以上の預金を持つ預金者の救済を求める声が高まっています。

例として、年収12万ドル(約1560万円)の社員が30名いるスタートアップであれば、いくら調達していても、預金にアクセスが出来ない状態が長引けば、保証されている25万ドルだけでは一ヶ月の給与支払いが出来ずに、破綻してしまう状態です。

仮にアジア市場が開く時間、西海岸時間日曜日の昼までに預金者の救済措置が政府によりアナウンスされない場合、多くの銀行が預金引き出しにあい、他の銀行も破綻しかねないと著名ファンドマネージャーのビル アックマンは主張しています。

記事内容:シリコンバレー銀行英法人、UAE王室やソフトバンク系が買収検討か – 日本経済新聞 (nikkei.com)

NewsPicksコメント-SVBの全ての預金保護、米当局が検討-ワシントン・ポスト紙

守るべきは預金者・金融システム   問われるべきは銀行の経営責任、投資家の自己責任

シリコンバレー銀行に関して今、大きく2つの論点があります。

1)守るべきは預金者・金融システム
DFDICにより保護されない25万ドル(約3400万円)以上の預金に関して、現時点ではいつ、いくらまで回収出来るかが不明です。

自分の銀行もシリコンバレー銀行のように潰れてしまうのでは?そうなったら資金にアクセス出来なくなり、経営が健在な自社も資金繰りが出来ずに潰れてしまうのでは? という不安がアメリカ中に渦巻いており、財務的に脆弱と見られている銀行からパニックのように預金引き出しが行われようとしています。

そのような事態に陥ればシリコンバレー銀行以外も潰れる銀行が出て来て、金融システム全体に問題が拡大する可能性があります。

現時点では一部報道で連邦政府が預金者の保護に関して何らかのアナウンスを行うとされていますが、これが出るまでは月曜日のパニック預金引き出しが起こる可能性が非常に高くなり、金融システム全体のリスクになりかねません。

2)問われるべきは銀行の経営責任、投資家の自己責任

イエレン米国連邦財務長官は土曜日の報道のインタビューでシリコンバレー銀行の経営者、債権者、投資家の救済は行わないと言及しています。

銀行のビジネスが買収されても、預金者保護・金融システムリスク軽減とは別問題です。

現時点では多くにベンチャーキャピタルなどが、再生し健全化したシリコンバレー銀行とはビジネスを継続するという共同メッセージを出していますが、今日にでもキャッシュが必要な企業にとっては何の助けにもなりません。

また、一部スタートアップ経営者有志が用意している書類は、すぐに口座開設が出来る金融機関の案内と貸付契約書の雛形です。預金残高へアクセスが出来るかどうかわからない状態で貸付主を見つける事は不可能に近い状態です。

記事内容:SVBの全ての預金保護、米当局が検討-ワシントン・ポスト紙 – Bloomberg