NewsPicksコメント-米SVBの英法人、UAE王室やソフトバンク系が買収検討か

金融不安連鎖か 不安解消か 運命の月曜日までカウントダウン

シリコンバレー銀行の倒産が一つの銀行の倒産にとどまるのか、金融不安につながるのかは下記の3つによるところが大きいです。

1)財産配分の金額
2)受け皿銀行が機能するか
3)預金者への救済処置の有無

1)財産配分の金額
今回の破綻の最大の論点は、FDICの制度により保護されない、25万ドル(約3400万円)以上の預金がどうなるかです。

FDICによると、来週中には財産配分を支払うと発表しました。

財産配分とは破産裁判所が最終的に決定する財産分配を待たずに、流動性の高い資産を売却後に、連邦準備制度理事会保証されていない預金に対する支払いです。

財産配分が保証対象外の預金に対して高い比率であれば、被害が限定的になります。

2)受け皿銀行が機能するか
銀行破綻時にDINBという受け皿銀行が設置されました。

月曜日にはDINBからFDICにより保護されている25万ドル以下の預金にアスセスができるようになるとアナウンスされていますが、歴史上、二番目に大きい金融機関の破綻なのでスムーズにいくかは、未知数です。

参考までに、シリコンバレー銀行の資産は、長期信用銀行破綻時の資産のほぼ二倍でした。

また、給与支払いサービスのRipplingによると、シリコンバレー銀行により破綻前日(3月9日)の給与支払い処理が行われていない事を明らかにしています。

カリフォルニア州において、いかなる理由においても給与未払いに対しては厳しい罰則が適用されます。

3)預金者への救済処置の有無
FDICにより保護されない、25万ドル以上の預金を持つ預金者の救済を求める声が高まっています。

例として、年収12万ドル(約1560万円)の社員が30名いるスタートアップであれば、いくら調達していても、預金にアクセスが出来ない状態が長引けば、保証されている25万ドルだけでは一ヶ月の給与支払いが出来ずに、破綻してしまう状態です。

仮にアジア市場が開く時間、西海岸時間日曜日の昼までに預金者の救済措置が政府によりアナウンスされない場合、多くの銀行が預金引き出しにあい、他の銀行も破綻しかねないと著名ファンドマネージャーのビル アックマンは主張しています。

記事内容:シリコンバレー銀行英法人、UAE王室やソフトバンク系が買収検討か – 日本経済新聞 (nikkei.com)