”見ざる言わざる聞かざる” 今度こそ、市場の断末魔のような声は米国連邦財務省に届くか?
3月10日のシリコンバレー銀行についで、シグネチャー銀行、そしてファースト・リパブリック銀行が相次いで破綻、その後も市場は中小銀行に対して大きなウリを浴びせ続けています。
しかし、米国連邦財務省は一貫して”米国の銀行システムは健全で弾力的な状態を維持している”と主張しています。
ファースト・リパブリック銀行破綻の2週間前、4月21日に行われた金融安定化監視委員会の記事録でも念仏のように”米国の銀行システムは健全で弾力的な状態を維持している”と発表しています。
米国連邦財務省の声明とは裏腹に、市場は流動性確保が難しい地銀に対する売りが続いています。
株価が下落し、資金調達方法が絶たれて破綻したケースは、シリコンバレー銀行が該当します。
また、JPモーガンチェイスなどの大規模金融機関から預金提供を受けたにも関わらず破綻したファースト・リパブリック銀行を鑑み、規模の小さい地銀の破綻が連鎖的におこる事態をなんとしても避けなければならないのではないでしょうか。
また、アメリカ特有の懸念としては50州が独立した国家体制(連邦制度)を取っている事で、ハワイを含めて小さな州の地銀が大きな州の大きな銀行に吸収される事に対して大きな懸念を持っています。
しかし米国連邦財務省から聞こえてくるのは念仏のような”米国の銀行システムは健全で弾力的な状態を維持している”の声。
これは昨今、インフレ懸念が叫ばれる中、インフレは一過性であると主張し続けていた米国連邦財務省の姿勢と同じなのではないでしょうか。
米国連邦財務省の 見ざる言わざる聞かざる はいつまで続くのでしょうか。
記事内容:米地銀株売りやまず、パックウェストやウェスタン・アライアンス急落 – Bloomberg